CHAPTER01ARTICLE03
FLUID MECHANICS · 01–03
流線・流跡線・流脈線Streamlines, Pathlines and Streaklines
流線、流跡線、流脈線の定義、数式、実験での見え方、定常流で一致する条件を比較して解説します。
要旨
流れを表す三つの線は、何を固定して観測するかによって区別される。定常流では一致するが、非定常流では一般に異なる。
流線Streamline
ある時刻の速度場に接する曲線を流線という。曲線上の各点で、接線方向はその点の速度ベクトルの方向と一致する。
流線は時刻を固定して描く。そのため、非定常流では観測時刻が変われば流線の形も変化する。流線を表す曲線要素と速度ベクトルが平行であることから、次の微分方程式を得る。
EQ. 01流線の微分方程式
(1)
- 空間座標[]
- 速度の各成分[]
- 流線を定める観測時刻[]
流跡線Pathline
特定の流体粒子が時間とともに描く軌跡を流跡線という。粒子を一つ選び、その位置を連続して追跡することで得られる。
流跡線はLagrange的な記述であり、速度場の中を移動する一つの粒子に着目する。粒子位置を時間の関数として表せば、その運動は次式で与えられる。
EQ. 02粒子の運動学
(2)
- 標識粒子の位置[]
- Euler速度場[]
- 時刻 t₀ における初期位置[]
流脈線Streakline
観測時刻までに同じ固定点を通過した粒子群がつくる線を流脈線という。定点から染料や煙を連続的に注入したときに観察される。
放出位置を固定し、粒子の放出時刻を変える。同じ点から異なる時刻に放出された粒子の、観測時刻における位置の集合が流脈線を与える。
EQ. 03流脈線の集合表示
(3)
- 時刻 t における流脈線
- 時刻 τ に固定点 xₛ を通過した粒子の時刻 t における位置[]
- 粒子が固定点を通過した時刻[]
05
三つの線の比較
| 比較項目 | 01流線Streamline | 02流跡線Pathline | 03流脈線Streakline |
|---|---|---|---|
| 固定するもの | 観測時刻 | 追跡する粒子 | 粒子を放出する位置 |
| 定義 | 固定した時刻において、各点の接線が局所速度と平行になる曲線 | 特定の流体粒子が時間とともに移動した軌跡 | 観測時刻までに同じ固定点を通過した粒子群の軌跡 |
| 必要な情報 | 同一時刻の速度場 | 一つの粒子の位置の時刻歴 | 異なる時刻に同一点を通過した粒子群の位置 |
| 実験上の例 | 瞬時速度場から算出した曲線 | 標識粒子の追跡軌跡 | 定点から連続注入した染料または煙の線 |
定常流では速度場が時間によって変化しないため、流線・流跡線・流脈線は一致する。
参考文献
参照日:2026年8月11日。外部専門家による査読は未実施です。